漫才「ゲームセンター①」 ※ジジイが委縮する方
A:は~、マクドナルドのせいで笑顔の市場価値が下がるなぁ
B:どんなボヤキだよ。大丈夫、笑顔のダウ平均株価とかないから安心して。
A:よかった~。でも、人々の笑顔は守っていきたいですよね
B:お、いい人だ
A:だから将来はゲームセンターを開業してみんなを笑顔にしたいんですよ
B:ゲーセン楽しいところですからね、いいと思いますよ
A:子供からお年寄りまで誰でも楽しめるゲーセンを目指したいんですよ
B:ちなみに、どういうゲームを入れる予定なの?
A:まずは将棋ですね
B:…将棋ですか?オンライン対戦ができるみたいな?
A:アナログですけど
B:ゲーセンだよね?ゲーセンって、家にはない機械があってこそみたいなもんじゃないの?
A:誰でも楽しめるように、老人向けにアナログなやつも設置してるんです
B:あぁ、そういうことか。ならいいか。
A:あとストリートファイターなどの本格的なアーケードゲームも置いてます
B:玄人とかマニア向けのゲームもあるのね。これは固定客がっちりですね。
A:あと、子供向けにキティちゃんのポップコーンメーカーとか、館内を一周するトーマスの乗り物なんかも用意しますよ
B:いいね~。ゲーセンが一気に明るくなりますね。
A:で、楽しい空間にしたいので、子供たちはいっぱいはしゃいでいいし、大人たちも「新記録だ~!!」って大声で喜んでもOK!これでみんな笑顔の素晴らしいゲーセンになりますね!
B:…将棋可哀想だな。将棋しているお爺ちゃん肩身狭くないか?
A:いや、お爺ちゃんも大きな声で「王手!!」って叫んでもいいんですよ?
B:集中できないだろ。将棋って物凄い集中力が必要なゲームなんだよ。そんなうるさいところじゃ気が散って真剣勝負できないでしょ。
A:じゃあ、お爺ちゃんが将棋している間は、館内放送で「ただいま、ご老人が対局中ですので、他のお客様は静粛に願います」って呼びかけるよ
B:もっと肩身が狭いだろ。将棋1試合1時間近くするんだぞ。「あぁ、わしらのせいで1時間も黙らせてしまうとは…」ってお爺ちゃん恐縮しちゃうだろうが。
A:確かに…。そしたら◦時~●時は将棋以外のゲームの料金を高くして、将棋以外のお客さんが来ないように仕向けるよ
B:…機械がうるせえだろ。将棋している横で「できたてのポップコーンはいかが!?」って言われるんだぞ。あれ客がいようがいまいが定期的に歌うぞ。
A:じゃあ、ハローキティ―が歌い始めたら「うるせー!!黙っとけ!!」って説教するわ
B:誰も来なくなるよ?特定の時間帯だけ、ピンク色の機械に怒鳴り散らす店主と委縮したお爺ちゃん2人だけがいるゲーセン。誰が行きたい?
A:うわー!理想とはかけ離れている!じゃあ、将棋は撤去します
B:でもそしたらご老人向けのゲームがなくなっちゃうよ
A:ゲートボールを設置します!
B:もっと考えてくれよ!老人=ゲートボールっていう偏見、やめな。
A:店全体を使って、次はストリートファイターの機械の下がゴールだ!ってやったら楽しそうじゃないですか?
B:精密機械の横で固い棒振り回すな。お爺ちゃん委縮しながらのショットになるよ。
A:大丈夫、スティックは柔らかい素材だから、館内全部を使うつもりで思い切り打てますよ。
B:ボールが館内1週しているトーマスの線路上に転がって置き石みたいになりますよ。”事故は起こるさ”じゃなしに。
A:じゃあ、ゲートボールやめてマリオカート入れます。
B:絶対に老人向けの物ではないだろ。
A:マリオカートを通じて、ドライビングテクニックを学んでほしいんです。
B:全部間違っているからな。バナナの皮捨てるわ、虹色になって衝突するわ。コースによっては高速道路逆走するからな、絶対だめだろ。
A:プリクラも入れます
B:一番老人から離れたコンテンツじゃねえか
A:気楽に遺影をとってほしいんです
B:デカお目目キラキラ故人偲べるかよ。子孫よりもインスタグラマーの方が多く参列するだろ、やめてあげろ
A:ダンスダンスレボリューションも入れます
B:だから老人を労われよ
A:盆踊りの練習に使ってほしいんです
B:あんな複雑な盆踊りあってたまるか。盆踊り至上最も難しいステップはコレ(左足を右足の後ろでチョン)。あんな狂気じみた動かし方しなくていいから。
A:あとはテキトーにメダルゲームですかね
B:それだけでええ。
〇製作者のコメント
私ゲーセンによく行くので、どこかでネタにしたいと思っていました。
頭のどこかでM1グランプリで披露することを浮かべながら書いたので、伏線回収や後半畳みかけを意識しております。まあ、尺が長すぎるんですけども。
で、後日、ゲームセンターのネタをもう1つ書くという。ゲーセンはネタの宝庫かて。