漫才「バモス」
「どーも、(コンビ名)です!お願いします」
「最近車を買おうかと思ってまして」
「いいじゃないですか、候補の車種とかあるんですか?」
「軽自動車の、バモスですね!」
「バモス…?」
「バモスが第一候補で、あとは軽の中古車を見て決めようかなと」
「あのさ、お前バモスが第一候補なの…?」
「そうですよ?」
「…バモスかぁ…お前さあ、バモスを買ったとして、何したいとかあるの?」
「ありますよ!例えば、彼女ができたら一緒に乗せてドライブデートしたり?」
「お前、それはすぐフラれるぞ!」
「ええ?何で?」
「バモスは女が乗らない唯一の車なんだよ」
「そうなの!?」
「そう。全車種で唯一女性が乗らないの。バモスに乗車する女、見たことないでしょ。女性がバモスに乗るとエンジン爆発するよ」
「でも、ネットで画像見たらちゃんと女性が選びたがるカラーもありましたよ?」
「何色があったの?」
「モカベージュとか、パールピンクとか」
「そうなの!?」
「バモスにそんな複雑な色はありません!もし白かモスグリーン以外のバモスを見つけたとしたら、それは幻覚か違法改造だから!」
「いや、だとしても、バモスがいいの!!」
「お前バモスのこと何も知らねえのに買おうとしてるのヤバいぞ」
「ちゃんと調べてますから。選んで買う車ですから、毎週洗って大切に乗りますから」
「バモスは3年に一回の洗車で十分!」
「ええ??3年に一回??」
「バモスは洗わなくてもいい車なのよ、汚してナンボ、汚れが勲章なのよ」
「いやいや、通勤とかでも使うつもりなんで、流石に洗いますよ」
「え、お前バモスで通勤するつもりなの?」
「そうですけど…」
「バモス以外に車は持ってる?」
「いや、まだ若くてお金ないので、複数台持ちなわけないですよ」
「バモスメインで乗るな!!」
「えええ???」
「バモス1台で生活する奴はこの世にいないから!!バモスはね、通勤用、家族用、趣味用の次にようやく買う車なのよ」
「そうなの!?じゃあ、バモスは何用の車なの?」
「山林原野走行用だよ!!」
「いつ使うんだよ!!」
「そう!いつ使うんだよって車でお前は生活しようとしてんの!!頭いかれてるヨ!!モカベージュのバモスの幻覚でも見てるんか!!あん!?」
「バモス欲しいだけでそんなに言われるとは思ってもいなかったよ!」
「あと、バモスはぶつけてもいい車だよ!!」
「そんな車ねぇよ!!」
「ぼこぼこに板金へこまして、車検通るかどうかのぎりぎりを楽しむ車なのよ!」
「もういい!お前の情報なんか知らん!バモス買う!」
「バモスじゃなくて軽トラ買え!」
「なんで!!」
「バモスは軽トラの下位互換なのよ!今まで言ったバモスの特徴に積載能力を加えたのが軽トラなの!バモスは軽トラに一個も勝てる要素が無い!バモスは後ろの屋根さえ無ければ軽トラに勝てるのに、本当に困ったちゃんですよ!!」
「知らん!!もう、いいや、第2候補の車にするから」
「第2候補は何?」
「ミライース」
「ミライースは実質1人乗り用なのよ!!」
「もういいよ!!」