漫才「ドラえもん」
A:最近ドラえもん流行ってますね~
B:もうその尺度にいねぇよ。ドラえもん、もう流行ってる流行ってないの次元にいないから。
A:そうなんですか?先月から見始めて「こりゃ流行るぞ~」って思ったんですけど
B:遅すぎるって。令和になってからドラえもん初見な成人男性いないから
A:あ、僕ちょっと乗り遅れた感じですか?
B:ちょっとどころではない
A:まあ、見逃し配信一気見して来週には追いつくから大丈夫ですよ
B:絶対間に合わないって
A:で、僕、この好きって気持ちが燃え尽きないうちに大きなことをやろうと思って、来週、Aがドラえもんを24時間語り続ける爆笑マニアックバトルトークライブ2023を開催することにしました!
B:何その鬼畜ライブ!?中止中止!!
A:今我こそはドラえもんマニアだっていう出演者を12名募集してて、ライブ内容としては、僕VS自称ドラえもんマニアの出演者で、各1時間ドラえもんトークをして、観客のみなさんに投票で勝者を決めていただくタイマン戦を全12回戦計24時間するライブです
B:お前死んじゃうって!!にわかが先週ハマったばかりのアニメを12時間語り続けるの無理だって!
A:12回戦中7回は勝ちたいですね
B:全敗まっしぐらだろ!第一、お前ドラえもん最近見始めた言ってたけど、そんなにわかがライブで何を語れるんだよ
A:なめないでくださいよ。ちゃんと12回戦分のトークの内容は決めてますから!
B:1時間も語れるのか?
A:じゃあ、特別に1回戦で話す予定のトークの出だし教えますから。
B:何を話すんだ
A:「どこでもドア、めっちゃ便利じゃないすか」
B:薄い薄い薄い薄い!!そんなん誰でも話せるって!
A:いや、このあとどこでもドアが普及した社会の流通網とその問題点に関する考察を話す予定ですから
B:ドラえもん関係ないじゃないか!でも、ちょっと興味湧く内容だなぁ!
A:2回戦の出だしは、「タケコプター、ここ(頭頂部)ちぎれるだろ」
B:だから薄いって!タケコプターに関してはもう色んな科学者が面白く解説してるから!
A:いや、このあと航空力学と人間工学の多角的アプローチに関する考察を話す予定ですから。
B:ちょっと興味湧くんだよなぁ!ドラえもん関係ないけど!
A:3回戦はタイムマシンの実現可能性とパラドックスへの実証論的解決法について話します
B:…これ"爆笑"トークライブじゃねえのか!?お前の話、全部「ほぉ…」で終わる!
A:まぁ、爆笑のほうは出演者のほうに委ねるとして…
B:鬼畜主催者が!!
A:あ、でも4回戦は笑かしにきてますから!
B:あんま笑かしに来てるって自分で言わないの
A:「ドラえもん、そこ土足禁止やで!何してんねん!」っていう
B:急に上方!?3回戦までとの落差がすごい
A:ドラえもんがずっと土足なことに誰も文句言わないあの世界は狂っているってことを話す予定です
B:いや、ドラえもん常に3ミリ浮いているから土足でも大丈夫らしいね
A:…え?3ミリ…ウイ…テル…?
B:にわかだからこの知識知らない!恥かくからトークライブやめたほうがいいって!
A:確かにまだ知識が甘いしこのままじゃライブは大失敗になるので、来週まで見逃し配信で全話視聴して知識を補強しようって思ってるんですよ
B:絶対間に合わないって
A:寝る間も惜しんで見ますから
B:絶対無理なんだって
A:ゆうて1クール2クールなら1日で見れるでしょ
B:ドラえもん50年分あるんだよ!!
A:ごごご50年!?
B:1972年アニメ放映開始!そこから今までずっと50年!
A:50年・・・?7日で?全部?
B:無理だから。ライブ中止したほうがいいって
A:あ、あ、あ…
B:思考停止しちゃった
A:(Bを指さしながら)…ドラえも~ん!!(Bに泣きつく)
B:違うよ!!50年の現実に正気を失っている!
A:ドラえもん、何とかしてよ!このままじゃ恥かいちゃうよ~
B:だから俺ドラえもんじゃない
A:ドラえも~ん!!
B:…エヘン(咳払い)、どうしたんだいA君、秘密道具に頼ってばかりじゃダメなんだぞ(のぶ代ドラえもんボイス)
A:・・・ドラえもんこんな声だっけ
B:昔のドラえもんを知らない!
〇製作者のコメント
特に大会などの目的もなく作った漫才。「ドラえもんを1クールの深夜アニメと思っている」人があまりに無謀なことをしたら面白そうだと思って書いた。
私は、一時期のぶ代ドラえもんの物まねを練習しており、どこかで使えないかと模索していた。このネタなら使えると思ったが、尺が長すぎるのでどこで披露するか見失った挙句、お蔵入りしてしまった。のぶ代ボイスで暴れたい昨今。「野郎、ぶっ〇してやる」「きゃあ、自分〇し~」って叫びたい。