漫才「みちょぱとワゴンR」
「どうも~○○です、お願いします」
「いい日ですね!!よかったです
あの~、芸能人のみちょぱさん、彼女に思うところがありまして」
「みちょぱさんに思うところ?」
「私だけかもしれないんですけど、みちょぱさん、その~、車のワゴンRのこと、見下してそうだな~って、思うんですけど」
「誰もそんなこと思いませんよ?」
「分かってます、だから自分だけかもって保険をかけたんです」
「ズルいなぁ。そもそもみちょぱさんがワゴンRを見下しているってどういうことですか?」
「仮にみちょぱさんの目の前にワゴンRと、まぁ例えばミライースがあったとして、どちらかの車を蹴飛ばしてくださいって言われたら、彼女は真っ先にワゴンR行きそうだなって。そういうことですよ!」
「まずそんな状況を想定するな。で、仮にみちょぱさんがワゴンR蹴りそうだとして、何が問題なんですか?」
「ワゴンRって未だに人気の車で、たくさんの人が乗ってますよね。で、その中にはみちょぱさんのファンもいるわけです。でもみちょぱさんはワゴンRを見下して蹴飛ばすような人間であるとしたら、ワゴンR乗りのみちょぱさんファンは今後みちょぱさんとどう向き合っていけばいいのか、ジレンマだらけで、彼らのことを思うと、その、なんていうか、悩みすぎて…あの…病んじゃう」
「考えすぎなんだよ!誰がそんなありもしない他人のジレンマで精神すり減らすってよ」
「確かに私がみちょぱさんがワゴンR蹴りそうっていう考えを抱かなければこんな悩む必要がないことは理解しているんですけど、ただ事実としてそういう思いをして悩んでいるという事実は、受け止めてほしいんだ」
「面倒くさいな!!一旦受け入れるとして、解決方法としてはまず貴方が変わらないことには始まらないですよ?」
「それは重々承知してます。でもたとえ親がヤフオクに出品されていたとしてもみちょぱさんとワゴンRの関係性を変えることはできないので」
「どんだけ強固なんだよ」
「だから、みちょぱさん側の変化も必要になってくると思う。」
「迷惑だな~」
「でも、みちょぱさんがワゴンR蹴らないような変化をした際、みちょぱさんのアイデンティティが喪失される可能性は否めない」
「みちょぱさんのアイデンティティ喪失は私としても皆さんにとっても好ましくないことです。でも、ワゴンR乗りのみちょぱさんファンのことを考えるとみちょぱさんがワゴンRを蹴飛ばしそうというアイデンティティは変えていかなければならない。でも、変えたことによるみちょぱさんのアイデンティティ喪失は避けられるような方法を考えなければならない。今後みちょぱさんのアイデンティティを守りつつワゴンRとの親和性を高めていくような方法を見つけることが、今の芸能界の役割…なんじゃないかなぁ」
「どこに着地してんだよ!!大学1年くらいのレポートみたいな結論出しやがって」
「我々にできることはないですかね」
「じゃあ、テレビ局にお願いして、みちょぱさんの目の前にワゴンRとミライース並べてどっちを蹴るかっていう検証してもらえばいいじゃないですか」
「あれを実際にやると!?」
「そしたらみちょぱさんは確実に「私車蹴らないですよ~」って言いますから」
「ああ!!滅茶苦茶想像できる!!みちょぱさんは、ワゴンRを蹴らない!!これが分かっただけでも、有意義な一日でしたね?」
「それはあなただけです、どうもありがとうございました。」