漫才「漢字の『漢』」
「どうも、○○です、お願いします」
「いい日ですね!良かったです。
あの~、漢字の「漢」って字について思うことがありまして」
「あのサンズイのやつに思うこと?」
「あれって、漢字の「漢」と、昔の中国の「漢」と、「おんどりゃぁ!(男らしく)」の漢でしか使わないじゃないですか」
「最後分かりやすいですね」
「あ、良かったです。で、漢字の「漢」って、習う必要ありました?あんな漢字ノートにびっしり練習して必死こいて覚えたのに、使い時少なすぎません?それなのに、あいつは、常に用いると書いて常用漢字に指定されているんですよ?要は漢字スタメンに入っているわけですよ」
「まあ…でも使うっちゃ使いますよ?」
「一方で、元SMAPの草彅剛さんの「彅」の字。あれ、常用外漢字なので、インターネットの記事とかだと平仮名で書いてあって、後で注釈で「なぎは、弓偏に草冠のやつ」みたいに書かれているんですよ」
「あ~、確かに」
「SMAPが国民的な今となっては、漢字の「漢」より草彅さんの「彅」の方が常に用いるだろと!」
「そんなことはないぞ」
「私統計とりました。SMAP結成から今までの期間、ネット記事に漢字の「漢」と草彅の「彅」が何文字使われたか、数えました」
「暇人ですね」
「まずは「漢」…50文字」
「少な!」
「全部漢字検定のお知らせでした。対して「彅」…2億!」
「大嘘大嘘!!」
「こんなに差があるんですよ!?」
「二億文字って、広辞苑13冊分だぞ!!彅だけでそれはあり得んだろ!!」
「こんなに差があるのに草彅が常用外漢字って、草彅さんが非常識な人間だって言われてるみたいで…いちSMAPファンとして悔しくて…悔しさをバネにしてユーキャンで資格採ります!!」
「どういう展開!?草彅の「彅」の話からどうしてユーキャンに繋がる!?」
「あ、あなた、私が本気じゃないと思ってますね!」
「はい?」
「私は本気なのでボールペン字講座なんて取りませんよ!!」
「ボールペン字講座に失礼だろ!!」
「私は、危険物、甲乙丙すべて取ります」
「本気すぎるけど使いこなせないだろ」
「…マスメディアさん、気付いてるんでしょ?」
「ん、どうした?」
「皆さん、先の統計から、漢と彅の使用率の差は明らかです」
「嘘統計だけどね」
「それなのに、漢は常用、彅は常用外はずっと変わっていません」
「今後も変わりません」
「これはマスメディアの陰謀です!」
「ああ、もうこの人だめ、お手上げ」
「マスメディアは漢と彅の使用率の差が明らかであることを隠蔽し続けました。で、国民はそれを国語教育を通じて当たり前のものとして洗脳され続けてきたのです。マスメディアは不都合な事実を神聖なる教育をもってして隠匿し続けたのです!!この不届き物が!!そして、この事実に自力でたどり着いたのは、私とやくみつるさんだけです。残念ですが、この事実を公にした私は命を狙われることでしょう。今も!こめかみにレーザーポインターが当たってます!ここにいる皆さんは歴史の証人なのです!!見届けてください、我が死に様を!!!…でも、私もただでは死ねません。時限爆弾をしかけ、マスメディアと徹底抗戦します!!その爆発物を扱うために、ユーキャンで危険物を取るのです!!」
「やめろおおお!!!ずっと聞いていれば、めちゃくちゃなこと言いやがって」
「…スパイか?」
「もう起きてくれ!!めんどくさいから!
一応まとめると、あなたの主張は、漢字の「漢」は常用外、草彅の「彅」を常用漢字にしてくれとそういうことなんだな?」
「そう!!漢字のスタメン変えてほしいんだ」
「でも、漢が常用外になって平仮名で書かれるようになったら、「漢字辞典」とか「漢字検定」とかの「漢」も全部平仮名になるんですよ?なんか、ダサくないですか?」
「…んああ!!…だせぇ…!!」
「じゃあ今のままでよくないですか?」
「んああ!!…負けたぁ!!…どうもありがとうございました。」