漫才「バックトゥザフューチャー」
「同級生で漫才してます、○○です。お願いします。」
「天気予報って、天気を予め伝えるから天気予報じゃないですか」
「そうね」
「もしもさ、その天気を、間違って伝えたら、これは天気誤報ですよね?」
「まあ、そうなるね」
「もしも、天気じゃなくて、ゴッホの絵画を間違って伝えたら、これはゴッホ誤報ですね」
「お、おう」
「ゴッホ誤報って聞くと、すごい咳してるなあ~って思いますよね」
「まあ…」
「この話を頭の片隅に平置きしまして」
「記憶の置き方の指定って珍しいな」
「天気予報に話を戻して、天気じゃなくて、おしっこを溜める場所について予め伝えたら、これは膀胱予報ですね」
「何その激キショでも実は意外と便利システム」
「もしも、おしっこを溜める場所に、強烈な一撃を食らわせたら、これは膀胱ボコッ!!ですね」
「膀胱労われよ」
「膀胱ボコッ!!って聞くと、ジャイアンがいるな~って思いますよね」
「え!?ボッコボコだから!?」
「そう!では、先ほどのゴッホ誤報と、膀胱ボコッ!!を組み合わせてみてください」
「ごっほごほ、ボッコボコ!?」
「風邪をひいて弱っているジャイアンが思い浮かぶでしょ」
「言われればやむを得ず浮かんでしまうな」
「いつも強いジャイアンが弱っているから、この時喧嘩を挑めばのび太でも簡単に勝てるでしょうね」
「まあな」
「でも、そんな時こそ、手を差し伸べる。そういう人間が、今求められているのです」
「はあ…」
「…っていう話を、小学2年生に授業でお話したんですよ」
「拷問!!未来を担う若人に何聞かせてんだ!!」
「弱っている人に手を差し伸べろって話をしてるんですよ?」
「ゴッホ誤報膀胱ボコッの部分が問題だよ!!超理論で小2を恐怖に陥れていただろ!あと、何で先生でもないのに小学校で授業してんだよ」
「あ、これは色んな職業の大人のお話を聞く授業で、私はその大人の一人として呼ばれました」
「人選ミスだろ。」
「他にもお医者さん、お花屋さん、あと俳優さんとかもいて、10分くらい話して交代するオムニバス形式だったんだけど、アマチュア漫才師枠として呼ばれました」
「意味ない!!世界一無意味な10分を、小2に与えるな!そして、もともと無駄で人生において±0の10分を、ゴッホ誤報膀胱ボコっの話でマイナスに振りやがった!!」
「もちろん全員ポカーン」
「もちろんって自覚あったのかよ」
「でも、ただ一人だけ、私に噛みついてきた児童がいたのよ」
「「何だその意味わかんない話は!!」って言ってきたのか!?」
「いや、普通に腕に…」
「物理的に!ガブって!?」
「「坊や、腕は噛んじゃだめでしょ?」って諭してあげたの」
「お前、大人な対応できるんだな」
「そしたらその子が「ああ、噛んでいいのは、他人の腕じゃなくて親のスネですもんね!!」って言うの」
「小2か!?小2はうんこちんちんレベルの笑いだと思うんだが!?」
「うわ、この子面白いな!!って思って。絶対この子と漫才したいなぁと思って」
「確かにね」
「で、その子が、彼です(相方を差す)」
「…??」
「…バックトゥザフューチャー」(何故かパイレーツオブカリビアンの曲が流れながら徐々に暗転する)